佃煮の由来
◇佃煮の名称
「佃煮」という名前の由来は、地名に由来しています。
その地名というのが「佃島(現在の東京都)」です。
その地に住む漁民らは、保存の利くように小魚を煮込んだ小魚煮を作っており、
その小魚煮を地名にちなんで「佃煮」として売り出したのが始まりと言われています。
◇佃煮とつながりのある歴史
織田信長が明智光秀によって討たれた「本能寺の変」が、佃煮と深い関わりがあると言われています。
信長が討たれた後、信長の盟友である徳川家康は身の危険を感じ、三河国(現在の愛知県)に引き返そうとしました。
が、既に光秀により退路は立たれていたため、迂回しての脱出を試みたのです。
しかしその最中、大阪の神崎川にさしかかりました。
その川を渡る術が無く困っていたところを、大阪佃村の庄屋「森 孫右衛門」と配下の漁民らが舟とともに小魚煮を差し出しました。
そのお陰で家康らは、無事に岡崎城へ辿り着くことができました。
家康は彼らへの恩を忘れず、江戸幕府を開いた後に森孫右衛門と漁民を江戸へ移住させます。
彼らが移住した場所は、佃村にちなんで「佃島」と名づけられることとなったのです。
このことが佃煮という名称の由来に繋がります。
佃煮の日とは?
森孫右衛門と漁民が移住した佃島では、1646年6月29日に神社が造営されました。
住吉神社といい、そこには佃村の御神霊を祭られています。
そこで「29日」を「ツク」と語呂あわせして、「佃煮の日」と名づけられたのです。
その後、全国調理食品工業協同組合は2004年1月1日に「佃煮の日」を日本記念日協会にて制定します。
参照:全国調理食品工業協同組合
佃煮の種類
佃煮とは、小魚、貝類、海藻などを醤油、砂糖、みりんなどで味濃く煮つめた食品のことをいいます。
材料が豊富なだけに佃煮の種類も盛りだくさんで、主な物でも100種類以上あるそうです。
博多久松でもいくつか佃煮を取り扱っています。
◇焼き海苔佃煮
板海苔の食感を味わえる、海苔の佃煮です。
海苔の香りや食感をしっかり残したまま佃煮にしているので、いつもの海苔の佃煮とは違った食感が味わえます。
◇高菜昆布
醤油で煮込んだ昆布の佃煮と、辛子高菜を和えており、
高菜のシャキッとした食感がアクセントになっています。
◇生姜昆布
醤油で煮込んだ昆布の佃煮と、細長く切った生姜を和えており、
醤油と昆布、生姜の3つの旨味が楽しめます。
記念日もいろいろありますが、「佃煮の日」は歴史が深く絡んだ記念日でした。
みなさんも是非、佃煮の日に召し上がってみるのはいかがでしょうか。
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